<発生状況>
管渠工事において、被災者は、他の3名の鳶工と共同で立坑用の昇降足場を解体する作業を行っていた。解体したクランプを土嚢袋へ集積する作業を1人で足場上にかがみこんで行っていた際、前のめりで前転をするような姿勢で、12m下へ落下した。安全帯は着用していたが、使用していなかった。幅木は被災者が転落した際、片側が外れた状態になっていた。 (災害程度:死亡)
原因 | 再発防止対策 | |
人的 | ・安全帯の不使用 ・不安全な姿勢、危険な位置で作業した | ・作業手順書に幅木等の安全設備を不安全な状態で放置しないことを明記し、周知する ・全ての解体工事の着手前に関係作業員全員により事前周知会を実施し、作業手順・分担・ 安全対策を理解させる。 ・安全帯の確実な使用を徹底させる。 |
物的 | ・開口部の覆い、手すり等の安全設備が不十分だった(解体作業の進捗に伴い、L型幅木の固定が不安定な状態) | ・作業手順書に幅木等の安全設備を不安全な状態で放置しないことを明記し、周知する。 |
管理的 | ・不安全作業を見落とし、黙認した ・KYKを実施していなかった | ・店社より元請安全専任者を新たに配置し、現場巡回での指導と是正を行う。併せて専門 工事会社安全専任者の配置を確認し、安全管理の指導を行う。 ・現地KY実施時に、安全工事打合せ書を基に、関係者全員で安全帯使用を確認する。 |
4月から年度が変わり、人事異動や新規採用者など、その現場に初めて配属される作業者が多くなります。新しく配属された作業者に対し安全衛生教育を行うことは安衛法でも定められていることですが、そういった慣れない職場環境において不安全行動などのヒューマンエラーが多くなることを未然に防ぐことがとても重要になってきます。
新規入構者の死亡災害の主な要因は、送り出し・新規入構者教育の不足や不徹底、作業の特性等に対する認識不足や不慣れ、作業所ルールの順守不徹底、注意・指示事項に対する理解や周知の不足などが挙げられます。